蝋塗鞘ろふぬりざや)” の例文
細身の蝋塗鞘ろふぬりざや赤銅しやくどうと金で牡丹ぼたん目貫めぬきつか絲に少し血がにじんで居りますが、すべて華奢で贅澤で、三所物も好みがなか/\に厭味です。
その上、柱と一緒に首を締めた細引のワナに、傍にあつた玄龍の脇差をさやごとねぢ込んで締め上げたのだらう。柱と蝋塗鞘ろふぬりざやに傷の附いたのはそのためだ
「紅い扱帶しごきはその上へ後から卷いただけで、絞め殺したのは丈夫な細引だ、——それからもう一つ、脇差の蝋塗鞘ろふぬりざやの中程がひどく痛んでゐるのは何ういふわけだ」