蜂窩ほうか)” の例文
後年のデパートメントストアの予想アンチシペーションであり胚芽エンブリオのようなものであったが、結局はやはり小売り商の集団的蜂窩ほうかあるいは珊瑚礁さんごしょうのようなものであったから
銀座アルプス (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
五人がかりで蜂窩ほうかから子供を引っ張り出して見ると、それが二升ばかりもあったのである。油炒りに、蜂の子飯。味は河豚の白子の味のようでもあるし、からすみにも似ている。
採峰徘菌愚 (新字新仮名) / 佐藤垢石(著)
二十くらいもあろうかと思う六角の蜂窩ほうかの一つの管に継ぎ足しをしている最中であった。六稜柱形ろくりょうちゅうけいの壁の端をあごでくわえて、ぐるぐる廻って行くと、壁は二ミリメートルくらい長く延びて行った。
小さな出来事 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)