薄茶うすちゃ)” の例文
物数奇ものずきな座敷へ通され、薄茶うすちゃを出されたり、酒を出されたり、江戸の留守居とも思われないような美しい女まで出されて取り持たれると
夜明け前:02 第一部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
「若旦那も御承知の上でございます。勇次郎様は御酒を召上がらないので、ときどき薄茶うすちゃを欲しいとおっしゃいます」
針の餌を取り替え参らすがその役目、左に控えた今ひとりのお茶坊主は、また結構やかなお茶道具一式を揃えて捧持しながら、薄茶うすちゃ煎茶せんちゃその時々の御上意があり次第、即座に進め参らすがその役目
はまた当地有志者の慰労会ありとて、その地の有名なる料理亭に招待せられ、翌日はかまをかけるとてある人より特に招かれたれば、午後より其処そこに至りしに、令嬢の手前にて、薄茶うすちゃのもてなしあり。
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)