葵色モオヴ)” の例文
二三の花はまだ彼等の花のデリケエトな氣泡(bulles)を葵色モオヴの高い枝付燭臺のやうに噴出(effusaient)させてゐたけれど
プルウストの文体について (旧字旧仮名) / 堀辰雄(著)
葵色モオヴの山壁、紺青の湖、それを縁どる黒猫の背に似たもみの林。
チロルの旅 (新字旧仮名) / 岸田国士(著)
それはすつかり群青色ウルトラメエルと薔薇色とに濡れてゐて、その穗先は葵色モオヴと空色とにうつすら染まりながら、まだ畑の土のこびりついてゐるその先端に行くにしたがつて漸々に
プルウストの文体について (旧字旧仮名) / 堀辰雄(著)