荒蕪地あれち)” の例文
すき一つ入れたことのない荒蕪地あれちの中に建てられた、小さい三等駅だから、乗降のりおりの客と言つても日に二十人が関の山、それも大抵は近村の百姓や小商人こあきんどばかりなのだが、今日は姉妹きやうだいの姿が人の目を牽いて
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)