草間くさあい)” の例文
木の蔭に乗物を立てかけておいて、お島は疲れた体を、草のうえに休めるために跪坐しゃがんだ。裳裾もすそ靴足袋くつたびにはしとしと水分が湿しとって、草間くさあいから虫がいていた。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
草間くさあいに光りつづける春の水
五百句 (新字旧仮名) / 高浜虚子(著)
昨夜ゆうべ更けてから、寝床のなかで、どこかの草間くさあいや、石の下などでいている虫の音を聞いた時には、もう涼しい秋が来たようで、壁に映る有明けの灯影や、枕頭まくらもとにおかれたコップや水差し
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)