花山車はなだし)” の例文
撫子染なでしこぞめの長き振袖に、花山車はなだしを織り出したる金繍きんらんの帯を締め、銀扇を高くかざしていたったるは、花束もてこの扇を射よとの心であろう。
震災以後は格別、その以前には型ばかりの祭礼を行なわないでもなかったが、それは文字通りの「型ばかり」で、軒提灯に花山車はなだしぐらいにとどまっていた。
綺堂むかし語り (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)