“艪臍”の読み方と例文
読み方割合
ろべそ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
弟がかいを握っていた。兄と彼女とが並んで彼の方を向いて掛けていた。艪臍ろべその鳴る音と胴が波を噛む音とにさえぎられて、彼らの会話は弟の耳へは達しなかった。
青草 (新字新仮名) / 十一谷義三郎(著)
なにってやんでえ、こっちがよっぽどお慰みだと、もやいを解いて、さおを使って舟を川へ出した。もうよかろうと、艪臍ろべそをしめそうとしたが、そこが取れて無くなっているので唸った。
桑の木物語 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
浜に上げられた漁舟の艪臍ろべその上に飛び乗り、がたがた歩いて、舟板をめくった。中は小さな舟底になっている。そこに体をすべり込ませ、舟板を元に戻した。そして体を胎児のように縮める。
幻化 (新字新仮名) / 梅崎春生(著)