致命ちめい)” の例文
「いまこそ、御出馬の機。——すぐ御出馬あらば、きょうこそ、少なくも秀吉勢の中堅に致命ちめいを与え得ること疑いもありません」
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そこで、吉宗は、さっそく、藪田助八の手で、問題の真相を、側面から調べさせ、かたがた極力、これが越前守の致命ちめいとならないように警戒させた。
大岡越前 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
こう抑えて、あとは料理次第と見る——家康の態度は、さながら百獣の王が、ものの致命ちめいに爪を加えてから、一応、あたりの気配を、おっとりと、見まわすときの容子ようすにも似ている。
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「ム、あれほどな敵勢が、致命ちめいをうけたような狼狽ぶりは、まさにそれか?」
私本太平記:08 新田帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
戦火は彼らのもっとも身近な、しかも致命ちめいな所に、飛び火していた。
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)