脊髄あばら)” の例文
旧字:脊髓
脊髄あばらの中央から真二つにそれを鋸で引割るのだ。ザクザクと、まるで氷でも引くように。
千曲川のスケッチ (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
見る/\小屋の中央まんなかには、巨大おほきな牡牛の肉身からだが釣るされて懸つた。叔父も、蓮太郎も、弁護士も、互に顔を見合せて居た。一人の屠手はのこぎりを取出した、脊髄あばらを二つに引割り始めたのである。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)