聾返つんぼが)” の例文
感情の激昂げきかうから彼の胸は大波のやうに高低して、喉は笛のやうに鳴るかと思ふ程かわき果て、耳を聾返つんぼがへらすばかりな内部の噪音さうおんはゞまれて、子供の声などは一語も聞こえはしなかつた。
An Incident (新字旧仮名) / 有島武郎(著)