羽翼はがい)” の例文
蝶の羽翼はがいの紛々と砕けたような、えない姿をその下に倒したかと見れば、意外、御方の眉はきっと上がった途端に、燕をそらす柳の手もと
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
此の倫子の羽翼はがいの蔭に人となったことは、如何ばかり右衛門をして幸福ならしめたか知れないが、右衛門の天資がすぐれていなければ、中々豪華驕奢きょうしゃの花の如くにしきの如く
連環記 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
「それは女の月並文句、強い男の腕で抱きしめられたら、もう羽翼はがいの力も抜けて、今の言葉は忘れるだろう。玄蕃に従え」
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)