群青ぐんじゃう)” の例文
早池峰はやちねの西どなりの群青ぐんじゃうの山のりょうが一つよどんだ白雲に浮き出した。薬師岳だ。雲のために知らなかった薬師岳の稜を見るのだ。
山地の稜 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
そこで黄色なダァリヤは、さびしく顔を見合せて、それから西の群青ぐんじゃうの山脈にその大きなひとみを投げました。
まなづるとダァリヤ (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
向ふの山は群青ぐんじゃういろのごくおとなしい海鼠なまこのやうによこになり、耕平はせなかいっぱい荷物をしょって、遠くの遠くのあくびのあたりの野原から、だんだん帰って参ります。
葡萄水 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)