罷軟ひなん)” の例文
すると僕の目の前へ奇蹟よりも卒然と現れたのは小さい紙本の山水である。この山水は一見した所、筆墨縦横などと云ふ趣はない。寧ろ何処か素人じみた罷軟ひなんの態さへ帯びてゐる。
僻見 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)