繼娘まゝむすめ)” の例文
新字:継娘
主人の金兵衞は幸ひ容態に變りはなく、老番頭の喜助が留守をしてゐるので、お酉は兎も角三人の繼娘まゝむすめを見てやらなければなりません。
「誰が見たつて、内儀のお袖殺しの下手人は、この手代の美代吉でせう、——尤も私は最初はあの繼娘まゝむすめのお柳かと思ひましたが」
母親のお春はさう言ひかけて、ハツと氣が付いたらしく、繼娘まゝむすめのお粂の顏を振り返りました。自分は構はないとしても、お粂の名前まで出したのは、明かに行き過ぎです。
銭形平次捕物控:311 鬼女 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)