網干あぼし)” の例文
もっとも腰抜け彌八は名前通り物柔らかだが、漁師崩れの網干あぼし七平と来ちゃ、同じ口説くんでも荒っぽいから大変で
この家は何べんも縁組みしているからよく分らないのだが、姫路市網干あぼしの中川というのは川辺からの分家であって、何代か前にちょっとすぐれた人が出ている。これが祖父の弟なわけである。
故郷七十年 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
播州ばんしゅうには那波屋なばや殿という倹約の大長者がいるから、よそながらそれを見ならって性根をかえよ、と一滴の涙もなく憎々しく言い切って、播州の網干あぼしというところにいるその子の乳母の家に追い
新釈諸国噺 (新字新仮名) / 太宰治(著)
奉公先のある兵庫をさして網干あぼしの港をたった。
「それとも網干あぼしの七平かな」