維納ウィンナ)” の例文
この書信は維納ウィンナ客桟きゃくさんホテル・ブリストルの記章を印刷したる書簡箋にペンにてこまごまとしたためられたり文中悦子とあるは令夫人なり。
書かでもの記 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
と大喜びで、飽かずあの古雅な音楽の都の落ち付いた景色を眺めていましたが、この国の都の美しさ清らかさは、とてもとても維納ウィンナくらいの比ではありません。
ウニデス潮流の彼方 (新字新仮名) / 橘外男(著)
悠々として倫敦ロンドン三界さんがいから欧羅巴ヨーロッパの目抜きを横行して、維納ウィンナの月をながめて帰ることができました。
大菩薩峠:22 白骨の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
姉上はかつて我々が子供の時分……まだ父上や母上が御在世の頃、みんなで墺国オーストリヤの首都維納ウィンナへ遊びに行った時のことを覚えておいでになりましょうか? あの時貴女も私も
ウニデス潮流の彼方 (新字新仮名) / 橘外男(著)