紗綾形絞さやがたしぼ)” の例文
黙って、糸七が挨拶すると、悄然しょんぼりと立った、がきっと胸をめた。その姿に似ず、ゆるく、色めかしく、柔かな、背負しょいあげの紗綾形絞さやがたしぼりの淡紅色ときいろが、ものの打解けたようで可懐なつかしい。
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)