紅子べにこ)” の例文
玄也の妻君は——つまりワイフのことであるが、名を紅子べにこと言ひ(どうやら之は玄也の好みに順つた変名らしい臭みがするが……)
竹藪の家 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
「お父さん、こんな家よしちまって、郊外に大きい分離派ぶんりはかなんかの文化住宅を、お建てなさいよウ」紅子べにこが、ボッブの頭を振り振り云った。
空襲葬送曲 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「いやかね? だが、もうじき人形になりたくなるかもしれないよ。あちらへいって、このおねえさま人形と遊んでくるがいい。さあ、紅子べにこ、ルミちゃんをおまえの部屋へつれていってあげなさい。」
魔法人形 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
そもそも、あの善良なる素六そろく少年と、モダン娘の紅子べにことは、一体どうした訳で、こんな一団に加わっているのであろうか。
空襲葬送曲 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「そうですわ。そこへ、紅子べにこさんという、浅草の不良モガが、一人でやって来たのよ。ウルフは、紅子さんと、手を取って、帰って行きましたわよ」
空襲葬送曲 (新字新仮名) / 海野十三(著)