サヽラ)” の例文
うかれ女系統の楽器らしいサヽラと言ふ物も、形は後世可なり変化したであらうが、実は万葉人の時代からあつたものと言ふ推測がついて居る。
国文学の発生(第二稿) (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
サヽラだとか、猿楽などといふやうな語が這入つてをるので、吾々の考へてゐる芸能と同じものだと考へてもよいと思ひます。
日本芸能の話 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
アヒの山も此一種で、サヽラを持つて門附けをして歩いた。上方唄にも其文句は残つてゐるが、行基が作つて相の山で謡はせたといふ伝へがある。此も男がするのが本態である。
お伽草子の一考察 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
此さゝけが花のシルシになり、そして、最初の形であると思ふ。竹ですればさゝらになる。サヽラも一種の占ひの花であつた。葬式等には髯籠ヒゲコを作る。此先のさゝけが肝腎である。
花の話 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
説経・浄瑠璃は、また目あきの芸にもなつて、扇やサヽラを用ゐる様にもなつた。