“節榑立”の読み方と例文
読み方割合
ふしくれだ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それと同時にステパンは節榑立ふしくれだつた拳を握り固めて夫人の顔の前で振つた。そしてくるりと背中を向けて駆け出した。
八は節榑立ふしくれだつた不器用な指で、此の玉を捩つて開けたのである。中はひだのやうになつて、物を入れる処がいくつも出来てゐる。そしてどこにも貨幣が二三枚づつ入れてある。
金貨 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
年寄りはそれは御苦労なこったという顔をしてうなずいて、その節榑立ふしくれだった指さきで、もとの同僚の遺児いじの頬を不憫そうに撫でた。トシは人見知りをしない子で、すぐあいそ笑いをした。
夕張の宿 (新字新仮名) / 小山清(著)