節季師走せっきしわす)” の例文
「あら、棟梁。なんぼあたしだって……。もうこのとおり、朝のお稽古を二人も片付けたんですよ。節季師走せっきしわすじゃありませんか」
半七捕物帳:16 津の国屋 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
露西亜ロシアと戦争が始まって若い人達は大変な辛苦しんくをして御国みくにのために働らいているのに節季師走せっきしわすでもお正月のように気楽に遊んでいると書いてある。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「道具屋さん。お気の毒だね。節季師走せっきしわすのいそがしい最中に、いつまでも留められていちゃあ困るだろう。もういい加減に帰っちゃあどうだね」
半七捕物帳:36 冬の金魚 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
節季師走せっきしわすにはなる。幽霊だって気が気じゃあねえ。家のものだってしちに置こうし、よそから預かっている物だって古道具屋にも売ろうじゃあねえか。
半七捕物帳:27 化け銀杏 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
「おめえも強情な子だな。節季師走せっきしわすに両国橋のまん中に突っ立って何をしているんだ。四十七士のかたき討はもう通りゃあしねえぜ。それともお前、袂に石でも入れているのか」
半七捕物帳:37 松茸 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)