島は七の死をいたんで、七が遺物の袱紗に祐天上人いうてんしやうにん筆の名號みやうがうを包んで、大切にして持つてゐた。
寿阿弥の手紙 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
羽賀井一心斎はがゐいつしんさいを知つたのも、妲妃だつきのお百を知つたのも、国定忠次を知つたのも、祐天上人いうてんしやうにんを知つたのも、八百屋やほやお七を知つたのも、髪結新三かみゆひしんざを知つたのも、原田甲斐を知つたのも
僻見 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)