破衣はい)” の例文
彼はすりきれたわらぐつをはき、垢じみた布帽をかぶり、破衣はいをひるがへしてむかしの王子として君臨してゐた城下を氣のへんな風來僧となつて歩きまはつてゐた。
折々の記 (旧字旧仮名) / 吉川英治(著)
ために家士一統には破衣はい粗食を給しながら、見れど見ぬが如くし、また、家老たるその方などにも、財務内政の経営に長年の辛苦をかけ、これも知りつつ知らぬがようなていをして過ぎ、ひたぶるにただ
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)