矢鱈無性やたらむしょう)” の例文
まるで袋から蝲蛄ざりがにを逃がしたように、矢鱈無性やたらむしょうに伸びひろがっている始末で、これではセリファンがどんなに無駄道を喰ったところで、決して彼の罪とは言えなかったからである。
すると、背後から大声でもって、警告してやりたい程、矢鱈無性やたらむしょうに不安に襲われた。この嘔気はきけのようにつきあげてくる不安は、あながち酩酊めいていのせいばかりでは無いことはよく判っていた。
西湖の屍人 (新字新仮名) / 海野十三(著)