それから、五、六にちもたってからです。ある、ゆりちゃんは、おかあさんにつれられて、省線電車しょうせんでんしゃっていました。
金色のボタン (新字新仮名) / 小川未明(著)
省線電車しょうせんでんしゃが、川崎を出て長い鉄橋を北へ越えると、そこはもう東京になっていた。房枝は、窓越しに、工場ばかり見える町の風景に、なつかしい瞳を走らせた。
爆薬の花籠 (新字新仮名) / 海野十三(著)