この頃塚原卜伝は、蔵人のために説服され、忠実な蔵人の相談相手として、療養園にとどまっていた。二人は連れ立って行くことにした。
何でもあんたの家には大切な品や思いますので相談によっては何せんこともおまへんこう思いましてな、何れ、電車会社の方の
「いや、わしの云い方が唐突だから、貴公はびっくりしたかも知れんが、何もこれは決して、突飛な思いつきではない。きわめて合理的に相談は運んで行けると思う」
「むむ、その辺で折り合ってやるか。相談はついた。おいいっしょにこんか、親方」
そのとき預ったのが利子もはいってまへんので、もう流れてまんねんけど、何やこうお君はんの家では大切な品もんや思いまんので、相談によっては何せんこともおまへん、と、こない思いましてな。