皇子ミコ)” の例文
譬へば、柿本人麻呂の日並知ヒナメシ皇子ミコ尊や、高市タケチ皇子尊を悼んだ歌の如きも、実は個性表現でなく、官人の群衆の為の代作である。
万葉集のなり立ち (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
日嗣ぎの皇子ミコが、日の皇子(天子様)におなりなされると、天子様としての仰せ言が下る。すると、群臣は天子様に対して、寿言ヨゴトを申し上げる。
大嘗祭の本義 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
即、其最明らかなのは、皇子ミコの場合に窺はれる。天子の御代役を勤められる、謂はゞ摂政の位置に居られる方には、特別に皇子ミコミコトと称へてゐた。
飛鳥・藤原の宮の頃から、皇子・日つぎのみ子の外に皇子ミコミコトと言ふ皇太子の資格を示す語が出来たらしい。
貴種誕生と産湯の信仰と (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
日の皇子ミコの為の皇子尊よりも、更に高く位せられるのが、すめらみことでおありなされる。