百合若ゆりわか)” の例文
百合若ゆりわかの矢のあとも、そのかがみよ、と見返る窓に、私は急に胸迫ってなぜか思わず落涙した。
革鞄の怪 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
今では百合若ゆりわかと名乗っているそうです。ですからあなたも御気をつけなさい。泥烏須デウスも必ず勝つとは云われません。天主教てんしゅきょうはいくらひろまっても、必ず勝つとは云われません。
神神の微笑 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
古戯曲の百合若ゆりわかものがたりは、南蛮僧などが、古ギリシアのウリッセスの譚を将来したのを、日本の事のように作り替えたてふ論を出されたと聞いたが、いまだに手に入らぬからその論を拝読せぬ。