申楽さるがく)” の例文
旧字:申樂
まずすぐれたるびなん(美男)は知らず、よき程の人も、ひためん(直面)の申楽さるがくは、年よりては見えぬ物なり。さるほどにこの一方は欠けたり。
「すると、伊賀だの。伊賀の一ノ宮には、古くから山田申楽さるがくの座がある由。そちも山田申楽のながれを汲む者か」
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
しかし昔の申楽さるがくとか田楽でんがくとか言ふものの趣味は能楽よりもかへつて狂言の方に多く存して居るかも知れぬ、少くとも彼ら古楽の趣味が半ばは能楽となつて真面目なる部分を占領し
病牀六尺 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
と、いわれ、その姿のまま、人々の中で、山田申楽さるがくの一曲を、さっと舞った。
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)