甲子楼きのえねろう)” の例文
描写するのに、八九月頃の暴風雨や海嘯つなみのことを写さないのは杜撰ずさんはなはだしいものだ。作者先生のお通いなすった甲子楼きのえねろうの時計台が吹倒されたのも一度や二度のことではなかろう。
濹東綺譚 (新字新仮名) / 永井荷風(著)