甘南備かんなび)” の例文
楠公夫人久子は、河内国甘南備かんなびの郷字矢佐利の住人、南江備前守正忠の末の妹で、幼い時に父母に訣れ、兄正忠夫妻の教育を享けて成人した淑徳高い女性である。
楠公夫人 (新字新仮名) / 上村松園(著)
二十歳はたちの年の暮——ちょうど今頃の冬、ここから近い甘南備かんなびさと南江みなみえの生家から、土地の名族楠木家にしてから、正成とのあいだに、六人の男子をしてきょうまでに至る間
日本名婦伝:大楠公夫人 (新字新仮名) / 吉川英治(著)