理髪床りはつどこ)” の例文
人あり、来つて盛岡の街々を彷徨さまよふこと半日ならば、必ず何街どこかの理髪床りはつどこの前に、銀杏髷いちやうまげに結つた丸顔の十七八が立つて居て、そして、中なる剃手そりてと次の如き会話を交ふるを聞くであらう。
葬列 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
薬屋の司会で、小学校長の説教、理髪床りはつどこの主人の聖書朗読に次いで、祈祷もあったし、感話もあった。石田は泣いて故人との友情を語り、僕もまた東京からいて来た仔細を言葉少く述べた。
友人一家の死 (新字新仮名) / 松崎天民(著)