理論セオリー)” の例文
こんな事を考えたりした。そしてその時にはこれがたいへんに確実な理論セオリーででもあるような気がしたのであった。
病室の花 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
吾人が日本文学史を研究するに当りて、第一に観察せざる可からざる事は、如何なる主義プリンシプル、如何なる批評眼、如何なる理論セオリーが、主要ヲーソリチーの位地を占有しつゝありしかにあり。
その理論セオリーに喰込んで考えたりしている時間が本当の仕事をしている時で、実験準備の細々こまごました手仕事などをしている時間は頭に休養を与えているのであるというような結論になりそうである。
米粒の中の仏様 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
総て芸術上の理論セオリーなどゝいふものは、それ自身には、常に一つの美しい真理と、新しい香りとを含んではゐるが、その実行に当つて、やゝもすれば極端な反動的偏見を曝露して、自縄自縛に陥り
演劇一般講話 (新字旧仮名) / 岸田国士(著)