玩具屋おもちやや)” の例文
「時々引越すのも文学者にはいゝやうです。実はわたしも近い中に越さうと思つてゐます。家賃が段々高くなるんで、玩具屋おもちややでは引合はなくなりました。」
来訪者 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
どうかして蘭丸の写絵を手に入れたいものだ、浅草中の玩具屋おもちややを一軒一軒尋ねてもかまはぬから、浜田へはもう頼むまいと決心して傍目も触らずすたすたと歩いてゐた。
蘭丸の絵 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
「俺か——ハツハツ、俺に用事がなくなるのが不足だといふのか。心配するな、荒物屋の伜に逢つて、最寄の玩具屋おもちややと駄菓子屋をしらべて家へ歸つて晝寢をし乍ら考へるよ」