玉簾ぎょくれん)” の例文
従来、主上と申し奉るは深い玉簾ぎょくれんの内にこもらせられ、人間にかわらせたもうようにわずかに限りある公卿くげたちのほかには拝し奉ることもできないありさまであった。
夜明け前:03 第二部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
あの山城やましろの皇居を海に近い武蔵むさしの東京にうつし、新しい都を建てられた当初の御志おんこころざしに変わりなく、従来深い玉簾ぎょくれんの内にのみこもらせられた旧習をも打ち破られ、帝自らかく国々に御幸みゆきしたまい
夜明け前:04 第二部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)