猿面冠者さるめんかじゃ)” の例文
「ほう……お前の額にはずいぶん皺が多いんだねえ! 僕にだってそんなにはないよ。猿面冠者さるめんかじゃの方かね。太閤様だな。……ハハハ。せい公そうだろう?」
父の出郷 (新字新仮名) / 葛西善蔵(著)
猿面冠者さるめんかじゃが淀君を物にするには太閤にならなければならなかつたが、むろん太閤だつて蒲生氏郷がもううじさとの未亡人や千利休の娘にふられる、だから本当の限度はきりがない。
金銭無情 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
前者は小さいが太閤が呱々の声を揚げたところで猿面冠者さるめんかじゃ産湯うぶゆの井戸というのが残っている。
ぐうたら道中記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
二人は危く首の飛ぶところであつたが、猿面冠者さるめんかじゃは悪びれぬ。シャア/\と再三やらかして平気なものだ。それだけ信長を頼りもし信じてもゐたのであるが如水は後悔警戒した。
二流の人 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
二人は危く首の飛ぶところであつたが、猿面冠者さるめんかじゃは悪びれぬ。シャア/\と再三やらかして平気なものだ。それだけ信長を頼りもし信じてもゐたのであるが、如水は後悔、警戒した。
黒田如水 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)