物奇麗ものぎれい)” の例文
針を丁寧ていねいぬぐったり、針の先に泡のようにこまかい薬を吹かして眺めたりする注射の準備ははなはだ物奇麗ものぎれいで心持が好いけれども、その針を腕にぐさと刺して
思い出す事など (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
そこへ行くと日本の献立こんだては、吸物すいものでも、口取でも、刺身さしみでも物奇麗ものぎれいに出来る。会席膳かいせきぜんを前へ置いて、一箸ひとはしも着けずに、眺めたまま帰っても、目の保養から云えば、御茶屋へ上がった甲斐かいは充分ある。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)