牡丹花ぼたん)” の例文
薄化粧した御顔のすこし上気のぼせて耳の根元までもほんのり桜色に見える御様子のあでやかさ、南向に立廻した銀屏風びょうぶ牡丹花ぼたんの絵を後になすって、御物語をなさる有様は、言葉にも尽せません。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
霜除しもよけをかぶった牡丹花ぼたんのように、お千絵様は中にかがまっていた。
鳴門秘帖:06 鳴門の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)