無宿者むしゅくもの)” の例文
村内のものでも長脇差ながわきざしを帯びるか、または無宿者むしゅくものを隠し泊めるかするものがあればきびしく取り締まるようになって、毎月五日には各村民が陣屋に参集するという。
夜明け前:02 第一部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
逃げた奴はみんな無宿者むしゅくもので、京都無宿の藤吉、二本松無宿の惣吉、丹後村無宿の兼吉、川下村無宿の松之助、本石町ほんごくちょう無宿の金蔵、矢場村無宿の勝五郎の六人で、そのなかで藤吉、兼吉
半七捕物帳:64 廻り灯籠 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
もと那珂河原なかがわらで、無宿者むしゅくものや物乞いどものかしらをしていた男でございますが……
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)