けい)” の例文
鎌首をもたげたままじっと睨むようにしている。だからわれわれには、ちょっと気づかぬことも多いのだが、助七などはそこは、さすがにけい眼である。
ある偃松の独白 (新字新仮名) / 中村清太郎(著)
蛇のようにけいけいとした鋭い彼女の眼は、もうすっかり私を呪縛してしまったので、この怖ろしい老女から眼をそらすことも、身をひくことも出来なくなった。
不愍ふびんではあるが、お久良と新吉とを、このまま放してやることはなるまい——と、法月弦之丞の眸は、いつのまにか、けいとして、一脈の凄味すごみを帯び、お久良の返辞を
鳴門秘帖:04 船路の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)