“潸”の読み方と例文
読み方割合
さん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
高蔵人の膝から抱き起こすように、男を引き寄せて、頬と頬を、娘の涙はさん々として、手負の唇を濡らします。
玉涙、さんとして、頬をながれ、嗚咽おえつする朝臣の声とともに、しばしそこは雨しげき暮秋の池のようであった。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
市十郎は、首を垂れ、さんとして、涙の流るるにまかせたまま、両手をかたく膝についていた。
大岡越前 (新字新仮名) / 吉川英治(著)