みなぎら)” の例文
山の手の賤妓は揮発油きはつゆの匂をみなぎらしてお座敷に来り、カッフェーの女給仕は競馬石鹸の匂芬々ふんふんとして新粧を凝し千束町の白首しろくびは更にアルボース石鹸の臭気をいとわず。
偏奇館漫録 (新字新仮名) / 永井荷風(著)