くちそそ)” の例文
やがて静緒の持来もちきたりし水にくちそそぎ、懐中薬かいちゆうくすりなど服して後、心地をさまりぬとて又窓にりて外方とのがたを眺めたりしが
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
身は老いかがみて、比叡の麓の清水にくちそそぎ、歌の中山の松風を枕とし給ひながらも、終に寒岩枯木の人とはなりおほせ給はず、一片の壮心掩はんとして掩ひ難くやありけん。
礼厳法師歌集 (新字旧仮名) / 与謝野礼厳(著)