漁色家ぎよしよくか)” の例文
こんなのは老を知らない漁色家ぎよしよくかによくある型で、物越しの柔和なのと、言葉の丁寧なのが、妙に不調和に見えるのでした。
が、まだ今のやうに女にれたり、金が欲しかつたりしてゐる内は、到底たうてい思ひ切つた真似は出来さうもないな。もつと仙人せんにんと云ふ中には、祝鶏翁しゆくけいをうのやうな蓄産家や郭璞くわくぼくのやうな漁色家ぎよしよくかがある。
雑筆 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)