清教徒ピューリタン)” の例文
「いやになるぜ、千種十次郎は紳士で人格者で清教徒ピューリタンだと言ってるじゃないか、その恋人が白粉臭い雌であってたまるものか」
笑う悪魔 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
エルンストには、兄に与えた苦悶くもんがどんなものであるか、ほとんど思いもつかなかった。クリストフはまったく清教徒ピューリタン的な一徹の心をそなえていた。
我々に近い歴史にも清教徒ピューリタンというのがありますが、これも自分でそう言ったのではなく、世の風習に染まないで厳格な道徳生活をしようという宗教改革者の一派に人があだ名としてつけたのです。
ベートーヴェンはその魂の中に清教徒ピューリタン的な或るものを持っていた。卑猥な思想や談話は彼を身顫みぶるいさせた。恋愛の聖性については強硬な考えをもっていた。
「新聞記者の清教徒ピューリタン——昭和五年の日本には珍らしい人種だな、——尤も新聞記者の中には、ストーブで尻を暖ため乍ら、時候外しゅんはずれの冷たいビールを呑む人間も居る」
笑う悪魔 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
清教徒ピューリタンでも無教会主義でも、こうなれば堕落の始めです。
「女優? 飛んでも無い、兄貴と来たら新聞記者中の清教徒ピューリタンだよ、——兄貴をワクワクさせる相手というのは、熊谷合名会社の若い社員で、潮田春樹の妹の美保子という麗人さ」
笑う悪魔 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
そして、清教徒ピューリタンたるこの十五歳の少年は、おのれの神の声を聞いた。