浜木綿はまゆふ)” の例文
『万葉集』巻四に「三熊野之浦乃浜木綿百重成心者雖念直不相鴨みくまぬのうらのはまゆふももへなすこころはもへとただにあはぬかも」という柿本人麻呂の歌がある。この歌中の浜木綿はまゆふはすなわちハマオモトである。
植物一日一題 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
万葉などに歌はれてゐる「浜木綿はまゆふ」すなはち、「はまおもと」の実物を見た日の、あのなにかしら胸の血の湧くやうな気持を忘れることはできない。
(新字旧仮名) / 岸田国士(著)
浜木綿はまゆふは花のかむりの立ち枯れてそこらただ暑し日ざかりの砂
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
この磯は半ば枯れたる浜木綿はまゆふの日向かがやかし鰯子しこの函干す
海阪 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
浜木綿はまゆふといふ草の名に
(新字旧仮名) / 岸田国士(著)