洗滌器せんじょうき)” の例文
そして、看護婦をいそがせて、自分は鞄をもち、看護婦には、洗滌器せんじょうきなどの道具をもたせて、あたふたと、医務室を出ていった。
爆薬の花籠 (新字新仮名) / 海野十三(著)
父は鼻が悪かったので、洗顔のつどゴム製の洗滌器せんじょうきで鼻を洗うのがきまりであった。家業柄鼻は大事にしなければならなかった。お糸さんは私を見ると
桜林 (新字新仮名) / 小山清(著)
ゴム管の洗滌器せんじょうきをもちろん使いに来たわけではない。何しに来たのだ。ゴムを手でさわって見たかったのか。
いやな感じ (新字新仮名) / 高見順(著)
学士は子供の腸を洗ってやりたいと言ったが、不便な郊外のことで、近くに洗滌器せんじょうきを貸すところも無かった。家内は二三の医者の家を走り廻って、空しく帰って来た。
芽生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)