歳時記さいじき)” の例文
その他は旧歳時記さいじきの定むる所に従へり。但こは類別上の便宜をいふ者なれば実地の作句はその時の情況によりて作るべく、四季の名目などにかかはるべきに非ず。(五月二十五日)
墨汁一滴 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
近世の歳時記さいじきには、ただ早天の鳴き声のみを賞美し、絵では日の出前に五羽か六羽、黒く飛んでいるところを描いて、まず初春の景物としたものであったが、その簡略な景物すらも
し、この樣子やうすでは、歳時記さいじきどほり、十五夜じふごやつきはかゞやくであらう。
十六夜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)