武者小路むしゃのこうじ)” の例文
僕の個性が出ないのだ。そうかといって、武者小路むしゃのこうじ久保田万太郎くぼたまんじゅうろうのは、台詞せりふがとぎれて、どうも朗読のテキストには向かないのだ。
正義と微笑 (新字新仮名) / 太宰治(著)
□「武者小路むしゃのこうじ氏に」 十二月号白樺の誌上で私が「世間知らず」を軽蔑してゐるさうだとのことをお書きになつたのを拝見して私は本当に意外に存じました。本当に心外に思ひます。
当時どこかに上演中だった武者小路むしゃのこうじ氏の戯曲の話もした。広子も美術だの文芸だのに全然興味のないわけではなかった。しかし彼女の空想は芸術とはほとんど縁のない未来の生活の上に休み勝ちだった。
(新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
あすこはぬけ出てしまって雑誌『白樺しらかば』の武者小路むしゃのこうじ氏の愛読者となったのは、心持ちが整理されてからではあろうが、別れてのちに、しみじみと知るまたとなきその人のよさ、世をふるにしたがって
九条武子 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)